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7.王の帰郷

2010.04.13  *Edit 

 迂闊だった。
 本当に、迂闊だった。
 まさか、ジェニーを救うために王自らが動こうとは――。

 ジェニーの捜索から一時的に引き上げ、城に戻ったサンジェルマンを待っていたものは、王が城から消えたという、信じられない知らせだった。王城は既に、大騒ぎだった。
 王がサンジェルマンに宛てた書置きには、「三日で戻るので王の不在を大々的に知らせないように」という指示と、「三日経っても戻れないときは連絡を入れる」という短い文がつづられていた。王の向かった場所も、それをほのめかす内容も、何もない。
 王が「三日」と断言しているのは、彼が王城を出立する時点で、ジェニーの居場所を把握していたということだ。だが、その頃はちょうど、捜索隊が貴族の町屋敷から別荘まで彼女がいそうな場所をしらみつぶしに当たっていたときだ。サンジェルマン以下誰一人として、ジェニーの居場所を突き止めていなかった。王城にいる人間も、ジェニーの身柄と引き換えに何かを要求するような連絡は一切受けていなかった。それにも関わらず、王はどこからか彼女の情報を知りえていたのだ。
 ただでさえジェニーの誘拐で揺れていた城中は、帰城したサンジェルマンを離そうとはしなかった。サンジェルマンはすぐにでも王の行方を追いたかったが、混乱を鎮め、皆の落ち着きを取り戻すには、王城に留まるほかなかった。


 ジェニーの誘拐は綿密な計画の上に実行されたものだ。
 ジェニーたちの証言をもとに、二人が監禁されていた郊外の館を割り出し、捜索した。六年前に没落した、とある貴族の別荘だ。
 だが、館はもぬけの殻だった。ごく最近、暖炉で火を使った形跡があり、人の出入りがあったことは確かだが、手がかりになりそうなものは探し出せなかった。いや、首謀者である“マルセル”が、手がかりを残すような不注意をしなかったのだ。
 ジェニーの出発に先立って、“マルセル”の偽者を確保させ、皆の気を逸らせたのも、計画の一部だろう。そうなると、近衛が今も追うローレンにしても、本物かどうかは疑わしい。
 “マルセル”とはいったい、どこの……何者だろう?
 彼はユートリア語を話し、“レオポルド”という男の命を受けているようだ。彼がユートリア語を話すとなれば、それを母国語とするマキシム、塩の国に、疑いはますます結びつく。

 ジェニーは、彼女の代わりに王が彼らの手中に落ちた、と思っている。ジェニーの置かれていた状況を聞けば、彼女が王を誘き寄せる生餌として利用され、王は彼らに捕らえられた、と考えてもつじつまは合う。
 けれども、何の物証も目撃情報もない今、王が彼らに拘束されたとみるのは、まだ早すぎる。ジェニーを救出しに行った王は、単に彼女と行き違いになった可能性も十分にあるのだ。
(王、どこにおられる――?)
 サンジェルマンが顔を上げると、向かいに立つ近衛隊隊長と視線が合った。張りのない肌、目の下にあるたるみに、影のようなくまが目立つ。
「今日一日だ」
 合言葉のように交わされる言葉が、サンジェルマンのはやる心を抑えとどめる。
 あと一日。
 今日一日だけ、王の帰りを待ってみよう。



 サンジェルマンたちが決めた、待機時間はそろそろ終わりを告げようとしていた。ジェニーが拉致されたときの状況を知る、唯一の生存者が数時間前に亡くなり、各方面に散っている捜索隊からの報告も途切れた。
 状況は膠着していた。一室にこもっている者たちに疲れが目立ち始め、交代で短い休憩を取り出した頃だ。
「――誰だって?」
 門番からの伝令を持ってきた衛兵に、サンジェルマンは質問を繰り返した。
「おまえが言うローレンとは、あのローレンのことか?」
「はい、ユーゴ・ベアール様によく似た男です。庶民の男が彼を捕まえたとかで、正門前に連れて来ております。彼を見たことのある者が、ローレン本人だと証言しました」
 それが事実なら、ローレンは彼を死にもの狂いで追う近衛隊たちの裏をかき、大胆にも王城まで現れたことになる。
 近衛隊は何をしていたのだろう? ジェニーをむざむざと奪われ、王が城を抜け出すのを許し、お尋ね者であるローレンまでも逃したとは。
 サンジェルマンは近衛隊への怒りを抑え、衛兵に言った。
「わかった。ローレンを城に入れ、彼を捕らえた男には十分な褒美をもたせて帰してやれ」
「は。ですが、その庶民の男、サンジェルマン様に直接お会いしたいと言うのですが……」
「私に? こんなときに私が一庶民に会えるような時間はない。追い返せ」
 サンジェルマンが語気を荒げると、衛兵が背筋を伸ばし、敬礼した。
「私どもも何度もそう言ったのですが、自分は王の古い知り合いだからサンジェルマン様もお会いしたいはずだ、と言ってきかないのです。サンジェルマン様に直接お会いできるまで門の前からどかないと、正門前に座りこんでおります」
「庶民に王の知り合いがいると思うか? そんな男は放っておけばいい。褒美の額をつり上げたいだけだ。おまえたちはローレンを男から引き離せ」
「ははっ」
 まったく馬鹿げている。王城に暮らし、庶民の生活など垣間見たこともない王に、庶民の知り合いがいるはずもないのに。
 引き上げる衛兵の背を見つめ、サンジェルマンは、ジェニーの帰城を知っていたかのように、この時期にローレンが出現した意味を考えた。ローレンを連れてきた男は、庶民という身分のくせに、国の頂点にいる王と知り合いだと語る。
 王は庶民と知り合う機会すら、ないのに――。
「……待て!」
 衛兵が部屋を去る直前、サンジェルマンはすんでのところで彼を引き止めた。
(いや、一人だけいる……!)
「はい?」
 衛兵が振り返る動作に、サンジェルマンの記憶の断片が重なる。先王の葬列を見送る群集の中、驚愕してゴーティス王を見つめる大柄な男だ。
「ローレンを連れてきた男はどんな男だ? 三十台前半で、背が高く、大きな男か?」
「は……はい、図体のでかい男です。髪は茶色く、“アドレー”と名乗っておりましたが……?」
 サンジェルマンは大きく頷いた。
 王が十三の年、今回のように皆の目を盗み、たった一度だけ王城を抜け出したことがある。そのとき、首都の街で王の面倒をみてくれた男だ。王は男への感謝の印として、その数年後、ずっと行方が知れなかった彼の妻の妹を捜し当てている。

 ひと目見て、サンジェルマンはその男がアドレーだと分かった。
「ローリー!」
 サンジェルマンがその場に呼んだジェニーが、衛兵の間に挟まれた若い男に向かって駆け出した。ライアンから聞いたのとは違う、濃い茶色の髪をした、ユーゴに似た男。衛兵たちは、ジェニーと彼女の兄の間を阻もうとしたが、サンジェルマンはそれを制した。
「ジェニー、おまえ……? おまえ、生きていたのか……?」
 ローレンにはかなりの動揺が見え、ジェニーに体に飛びつかれると、うろたえて声を漏らした。
「生きてるわ! ちゃんと生きてる! ローリーこそ! もう死んでしまったんじゃないかって、ずっと、ずっと心配してたのよ!」
 ジェニーに肩を揺さぶられると、ローレンは目を閉じ、がっくりとうな垂れた。
「……ああ……」
「ローリー、会いたかった……!」
 ジェニーがローレンの首にしがみつくと、彼は後ろで縛られた手をもどかしそうに動かし、天井に向かって長い息を吐いた。それから彼は小さな嗚咽をもらし、涙をぽろりとこぼして、顔をジェニーの髪にうずめた。
「……生きてたか。そうか、おまえ、生きていてくれたのか……」
 水を打ったように部屋は沈黙し、ジェニーとローレン以外、誰も動こうとはしなかった。二人を見つめるアリエルの瞳には、大きな涙の粒が盛り上がっている。ローレンの後ろで、アドレーが満足げに笑いながらジェニーに抱きしめられた彼を見下ろしていた。感動的な、兄妹の再会の場面だ。
 だが、サンジェルマンは二人の作り出す雰囲気に飲まれはしなかった。ジェニーのためによかったとは思うが、ローレンはあくまで、ヴィレールにとっての危険因子。
 王が行方不明の今、彼が王城に現れたのはただの偶然だろうか?

 サンジェルマンが抱擁する兄妹からアドレーに視線を移すと、人のいい笑顔を浮かべて二人を見ていた彼が、サンジェルマンの視線に気づいた。一見、強面な男だが瞳が優しく穏やかだ。よく日に焼けた、角ばった顔に、肩まで伸びた茶髪がまとわりついている。二メートル近い長身で、鍛えられた衛兵たちより一回り大きな体躯だ。顎から伸びた首は顔とほぼ同じ幅で、腕は女の腿ぐらいありそうだった。
「あんたが王の側近のサンジェルマン様?」
 男はにっこりと笑った。人好きのする笑顔だ。サンジェルマンが笑い返すと、彼はさらに大きく笑った。
「俺は“シヴィル”の友人アドレーだ。ほんとはシヴィルに先に会いたかったが、そう頼んでもここの連中は俺を通しちゃくれないと思って、あんたの名前を出した。あんたは俺を知らないかもしれんが……やっとあんたに会えて嬉しいよ」
 アドレーがサンジェルマンに向かって足を踏み出すと、衛兵たちが剣に一斉に手を伸ばした。
「止めないか。この方は王の恩人だ」
 サンジェルマンは衛兵たちを遠ざけ、アドレーに近寄っていく。彼の前に立ち、敬意を表して胸に手をあてると、アドレーは目を丸くしてサンジェルマンを見つめた。
「貴殿のことは王から何度も聞いている。一度、貴殿には実際に会ってみたいと思っていた」
「いや、貴殿なんて……おいおい? そんな、貴族さんが俺に頭を下げるなんて、やめてくれって!」
 アドレーはほとほと困った様子で言うと、助けを求めるように辺りを見回した。ジェニーとローレンが彼を見ているのに気づくと、アドレーはとたんに白い歯を見せ、豪快に笑ってみせた。
「ははっ、あんた、よかったなあ! ほんとに“王のジェニー”があんたの妹だとはなあ……。会えてよかったな!」
「……ああ。ありがとう……」
 ローレンが弱々しい笑顔を見せ、ジェニーをちらりと窺うように見た。

「知り合いなのか?」
 二人の間に交わされた会話をサンジェルマンが不審に思っていると、アドレーは首を横に振った。
「サンジェルマン様、つまり、こういうことだ。王に会いたい俺と誘拐された妹の身を心配したそいつの、利害が一致したんだ。城に行ったところで、庶民の俺は門前払い、そいつは妹の事情を知る前に首をちょん切られるかもしれんだろ? まあ、俺はあんたに会えればあとは何とかなると思ったから、お尋ね者のそいつを捕獲したって言えば面会できると思ってな。で、そいつにしてみても、王の側近であるあんたに会えれば、有無を言わさず殺されることもないと俺は思ったんだ」
「のんきだな。彼の話を疑いはしなかったのか?」
「殺されるかもしれんのに一人で王城に出向くなんてのは、本当に妹が心配じゃなきゃできない芸当だろ」
 それに、あんたは話の分かる奴だとシヴィルは言ってた、とアドレーはサンジェルマンににっこりと笑う。それから、ジェニーの方を見たアドレーの表情から、笑みがすっぽりと抜け落ちた。
「ローリーが殺されるって……どういうこと?」
 ジェニーは自分の放った言葉さえ信じられないと言うように、呆然として首をゆっくりと左右に振る。
「彼がどうして、こんな扱いを受けるの? ねえ、ローリーが何をしたって言うの?」
 ジェニーはローレンの手首に巻かれた縄の結び目をほどこうとしていた。だが、それは特殊な結び方がされていて、簡単には解けないようになっている。
 結び目と奮闘するジェニーが次第に焦っていく様子を眺めながら、サンジェルマンは彼らに歩み寄った。
「私の質問に答えたら、彼を自由にしてやってもいい」
「ローリーがこんな扱いをされる理由はないわ!」
 サンジェルマンが見つめたローレンは、彼を全身で拒否していた。ジェニーと同じ瞳が怒り、サンジェルマンをその場に留まらせる。もう一歩でも彼に近づけば、彼は野犬のようにサンジェルマンに噛みつきそうな勢いだ。
「……おまえたちに教えることなんか、何もない」
 ローレンの瞳は本気だ。サンジェルマンが初めてジェニーに出会ったときのように、全てをはねつけようとする意志が透けて見える。
 サンジェルマンは扉の近くに控えていたアリエルを呼び寄せた。
「彼女の役目は終わった。もう連れて帰ってくれ」
「おい、せっかく再会できたってのに、そりゃああんまりなんじゃ……」
 ジェニーが青ざめ、叫んだ。
「いやよ、行かないわ!」
「ジェニー、この男は闘技場で王の暗殺を企てたのかもしれないのだぞ!」
「俺は関わってない!」
 サンジェルマンが振り返ると、ローレンが気まずそうに視線をそらした。
「関わっていないって?」
 サンジェルマンの問いに彼は無言を貫いた。だが、
「本当ね、ローリー……?」
 ジェニーが確かめると、彼は口惜しそうに唇を震わせた。
「あの王を殺してやりたい気持ちはあるが、でも、関わってない。本当だ。俺は闘技場での計画だって知らなかったんだ。奴らがおまえまで狙うなんて……」
 サンジェルマンがローレンの前に立つと、彼は眉をひそめ、唇を閉じた。
「ジェニーを誘拐したのはそのときと同じ連中だ」
 ジェニーが頷くのを見て、ローレンが口を開く。
「事件を最初に聞いたとき、そう思ったよ。それから、ジェニーの捜索が難航してると知って、見当はずれの場所を探してるんだと思ったんだ。俺が単独で動いたんじゃ時間がかかるし、時間がかかればかかるほど、ジェニーの身は危ない。だから、城に来ようと思ったんだが――」
「彼女は自力で脱出した」
「自力で脱出なんかできるのか?」
 ローレンは驚愕し、気が抜けたように笑った。
「事実、やってのけたから彼女はここにいる。ローレン、おまえの妹の身を危険に晒したその連中は、どこの何者だ? 彼女の話では、彼らはユートリアの言葉を話し、“レオポルド”という主(あるじ)の命令で行動しているようだ。何か心当たりはないか?」
 ローレンはサンジェルマンを見ていなかった。だが、サンジェルマンの目は、彼の瞳をよぎった狼狽を見逃さなかった。
「知っているなら……ジェニーのためにも、今言った方が賢明だ」
「ローリー、これは本当に大事なことなの。お願いよ、教えて」
 ローレンは妹ジェニーに弱い。サンジェルマンが願ったとおりに、ジェニーの懇願が続く。


 日付が変わるまで、あと一時間もないだろう。夜は静かに満ち、王を待つ期限が限りなく近づいてきている。
 ローレンはまだ何もしゃべらない。妹を狙われ、もはや仲間とは呼べない彼らに対して、彼は何を迷うことがあるのだろう? 答えを渋る兄に、ジェニーの焦りと苛立ちが募っているのが、サンジェルマンには手に取るように分かる。
 そんなとき、サンジェルマンは近衛隊隊長からの至急の呼び出しを受けた。この時間になって、王の伝令が届いたというのだ。
 サンジェルマンは、近衛隊隊長が既に向かったという、衛兵の詰め所に走った。事の重大さを予測してか、ジェニーも無言でサンジェルマンに付いてくる。彼女には、ローレンと残り、彼から情報を引き出してほしかったが、彼女はそれを聞き入れようとはしなかった。
 普段は衛兵たちが押し込まれ、騒がしい詰め所だが、深夜の今、室内には数人の衛兵に混じって大臣が数名、部屋の右隅に二人の女がいるだけだった。部屋は広いが、明かりは入口と女たちの立つ付近の二箇所しか灯っておらず、顔が確認できないほどに全体的に暗い。衛兵たちの腰にある剣の鞘が部分的に光ってみえるのが、不気味だ。
 サンジェルマンが部屋に踏み入ると、女たちの足元で床にしゃがんでいた近衛隊隊長が大声で彼を呼んだ。空洞のような部屋では、囁き声でも十分に耳に届きそうだったが。
 近衛隊隊長の前には、床に寝ている男の足があった。まだ生きている証拠に、痙攣したように片足が小刻みに跳ねている。逆の足は黒い泥にまみれている。
「おお、ジェニー様も来られたか!」
 泥で汚れた足が大きく飛び跳ねた。
「ジェ……? ジェニー様……と……?」
 ひどく掠れた男の声に応えるように、ジェニーが近衛隊隊長の隣に膝をついた。
「ええ、ここにいるわ。王はどこにいるの? 無事なんでしょう?」
「ジェニー様……あ、本物……?」
「本物よ! 王はどこ? どこにいるの!」
 そのとたん、床に寝かされていた男ががばっと起き上がった。唇には裂傷が目立ち、顔の左半分がべったりと血で染まっていた。
「な……ぜ! なぜここにお……るので……! ジェニー様は人質にと……られ……」
「ジェニー様は自力で監禁場所から逃げてこられ、昨日城に戻ったのだ」
「う……おお、ばかな……! では、我々が見た……あの女……? ジェニー……と王が……ああ、王は手も足も……出せな……!」
 男はそこまで言うと力尽き、床に突っ伏した。
「待って! 王は? 王は無事なの……!」
 ジェニーが倒れた男に叫ぶと、近衛隊隊長が沈んだ口調で言った。
「王は今のところご無事です。大きな怪我はない。奴らは北に進路をとって、王の身柄をどこかに移すつもりらしい」
 奴らとは、ジェニーを誘拐した集団だ。彼らには王の身柄そのものが目的で、王を傷つける意思はないようだ。でも、彼らがジェニーに見立てた女を人質とし、王の心の自由までを奪っているのなら、王はなすすべもなく彼らに連行されるしかない。
 ジェニーは床に倒れた男をじっと見て、背中を震わせていた。サンジェルマン以上に、彼女は無念に思っているはずだ。彼女の存在が王にとっての罠となり、足かせとなってしまったのだから。
「私……戻らないと」
 状況が把握できた今、彼女にはとりあえずの休息が必要だろう。
 サンジェルマンに、ジェニーがくるりと振り返る。
「ああ。部屋に戻って少し眠った方がいい」
「いいえ、眠ってる暇はないわ、サンジェルマン。ローリーのところに戻るのよ」
 ジェニーは今にも泣き出しそうな表情だったが、瞳だけ、意気ようようと輝いていた。それは闇夜をこうこうと照らす月に似ている。
 早く、とジェニーがサンジェルマンを急きたてた。
 サンジェルマンは、王が憧れていた、月の女神であり、戦いの女神エクリシフェを思い出した。



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