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 【 2010 年 03 月】 更新履歴

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2010.03.30【 7.王の帰郷

  ジェニーが次の王妃になっても構わない。 女官長の呟きをサンジェルマンが聞いたのは、ジェニーがベアール家に出発する日の朝、王の執務室から出た直後だ。 女官長の口からジェニーへの非難が聞かれなくなり、それから間もなく、王妃が悪夢のような事件を起こして王城を追放された。それ以降、女官長がいつそう言い出すのだろうと、サンジェルマンはこの瞬間を指折り数えて待っていたぐらいだ。驚くことはない。 その日の女官...全文を読む


2.

2010.03.23【 7.王の帰郷

  四月まであと数日と迫った、ある日の夕方のことだ。北の国境の警備隊から、クレマン家の次男によく似た男が国境沿いの街で目撃されたとの知らせが、サンジェルマンに届けられた。闘技大会の会場でユーゴに“クレマン家のマルセル”と名乗った男のことだ。 男は仲間の男二人と連れ立って、“冒険者たち”のたまり場となっている宿屋にいたそうだ。彼らが冒険者かどうかは定かではないが、宿屋の主人の話では、全員が初めて見る顔で、...全文を読む


1.

2010.03.16【 7.王の帰郷

  三月に入って一週間以上が過ぎ、雨は何度か降ったが、雪は一度も降っていない。大地を覆い隠していた雪を雨が数日間をかけて押し流すと、常緑の生垣と土色だけの寂しい庭園風景が窓の外に広がった。カミーユは久しぶりに再会した大地を見て喜んでいたが、それもほんの一時のことで、すぐに、雪が恋しいと不平を言い出した。カミーユにとって、雪にまみれて皆で遊んだことは、かなり楽しかった記憶として残っているらしい。 今年...全文を読む


2010.03.09【 6.春が訪れる前に

  昼を少し過ぎると気温はぐっと下がり、細かい雪がちらつき始めた。窓から見える景色が全体的に白く濁っている。そんな悪天候にもかかわらず、ユーゴはジェニーを訪ね、小城にやってきた。彼が自宅を出発する頃はまだ暖かく、雪が降りそうな空模様ではなかったそうだ。ユーゴに続き、数人の男たちに抱えられた三つの大きな箱がジェニーのいる部屋の床に置かれると、彼は王に挨拶するように恭(うやうや)しく胸に手をあて、「きみ...全文を読む


2010.03.02【 6.春が訪れる前に

  激しい炎が揺らめく釜を覗き込んだときのように、ジェニーの首から耳にかけての肌が、かっと熱くなった。嘘だ、とジェニーの口に出かかった一言は、熱をもった舌先で、音とならずに蒸発してしまう。 王妃はジェニーを見つめ返し、笑顔を一瞬にしてなくした。「……怖い顔をなさるのね」 ジェニーはこみ上げた怒りにまかせ、王妃につい不躾な態度をとってしまったことを反省した。彼女から一歩下がり、ジェニーは膝を曲げて頭を下...全文を読む


 

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プロフィール

蒼井りゅう

Author:蒼井りゅう
気の向くままに、主に恋愛小説を書いています。
毎日の音楽、気ままな旅、気のおけない友人たちとの楽しいひととき、美味しいゴハンが創作活動のもと!

好きな作家:山田詠美、群ようこ、星新一、ジョアン・フルーク、ロバート・パーカー、ジェフリー・アーチャー、ジェイン・オースティン、オスカー・ワイルド

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